記事タイプ:価値記事

TikTokライブでギフトを増やしたいと思っても、「ギフトをお願いする」以外に何をすればいいのか分からない、という方は多いのではないでしょうか。ギフトは待っていれば自然に飛んでくるものではなく、視聴者の心理を理解したうえで、環境を作っていくものです。

先に結論から言うと、ギフトは視聴者が自発的に投げてくれるのを待つものではなく、配信者が「応援したい」という気持ちを育てたうえで、投げるタイミングを誘導していくものです。 本記事では、視聴者がギフトを送る心理と、その心理にもとづいた配信の作り方を、ゲーム配信に特化した現役の配信事務所が解説します。

ギフトが生まれるまでの3段階

先に全体像を一覧で示します。

段階何をするか目的
種まき目標や夢、熱意を伝える視聴者が応援する理由を持つ
育成配信内でコミュニケーションを重ねる視聴者とギフトの距離を近づける
収穫ゴールを設定し、投げやすいタイミングを作る実際にギフトにつなげる

農業にたとえると、種まきがマインドセット、育成期が配信でのコミュニケーション、収穫がギフトという関係にあります。この段階を飛ばしていきなり収穫だけを求めても、視聴者の応援したい気持ちは育っていません。

投げ銭されやすい配信を作る手順

ステップ1:応援したくなる理由を伝える(種まき)

ステップ1:応援したくなる理由を伝える(種まき)

視聴者は、応援する理由を提示されて初めて「応援してあげたい」という気持ちを持ちます。何もアピールしていない配信者を、視聴者が自発的に応援してくれることはあまり期待できません。

「日本一のTikTok配信者になりたい」のような大きな夢は抽象度が高く共感を集めやすい一方、「今月中に登竜門イベントで1位になりたい」のような小さな目標は具体的で応援しやすいという特徴があります。大きな夢と小さな目標の両方を、配信の中で繰り返し伝えることを意識しましょう。

夢は一度伝えて終わりにするのではなく、配信のたびに少しずつ触れることが大切です。「日本一になりたいから公式番組に出たい、だからギフトランキング1位になりたい、だからまず登竜門で1位になりたい」のように、大きな夢から小さな目標へと段階的に落とし込んで伝えると、視聴者にとって「今、何を応援すればいいか」が分かりやすくなります。

ステップ2:目標達成を具体的な行動に結びつける

夢や目標を伝えるだけでなく、それを配信内の行動と結びつけると、視聴者が応援する意味を感じやすくなります。「配信時間を伸ばすから応援してほしい」「イベント順位はみんなの協力が必要」のように、目標達成のために視聴者の協力が必要であることを具体的に伝えましょう。

夢を語る専門の動画を作って固定表示しておくと、初めて来た視聴者にも配信者の目標が伝わりやすくなります。

ステップ3:視聴者とギフトの距離を近づける(育成期)

ステップ3:視聴者とギフトの距離を近づける(育成期)

日頃の配信の中で、ギフトの話題そのものに触れる機会を作りましょう。毎月新しく追加されるギフトについて話す、ギフトギャラリーを見ながら配信するなど、ギフトを話題にすること自体が、視聴者にとって「ギフトを投げる」という選択肢を意識するきっかけになります。

「いつも見てくれてありがとう!コメントやバラを投げるとメンバーレベルが上がるよ」のように、メンバーレベルの仕組みと絡めて伝える方法も効果的です。メンバーレベルは、一定の視聴時間に加えてギフトを投げないと上がらない仕組みになっているため、レベルの話題とギフトの話題は自然に結びつきます。

メンバーレベルが一定の水準(例えばレベル30など)を超えた視聴者が一定人数を超えたタイミングで、個人のDiscordコミュニティなどに招いて距離をさらに近づけるという方法もあります。距離が近くなることで、視聴者が目標に対して当事者意識を持ち、協力してくれやすくなる効果が期待できます。

ステップ4:少額から投げやすい環境を作る

同時接続数を伸ばすこととギフトを獲得しやすくすることを、同時に両立させるのは簡単ではありません。まずは一定以上の視聴者を集めることに集中し、視聴者の絶対数が増えてからギフト獲得に動いたほうが効率的です。「同時接続数がおおむね100人に届くまでは、視聴者数を伸ばすことを優先する」という目安は、社内で計測した統計値ではなく、OnLiveのマネジメントスタッフが日々多くのクリエイターを見てきた経験にもとづく、講習会で共有されている経験則です。自分の状況に置き換える際の一つの目安として捉えてください。

また、女性クリエイターのほうがギフトを貰いやすいというイメージを持つ方もいますが、実際にはTikTokで上位のクリエイターには男性も多く、同性からのギフトも珍しくありません。年齢層も幅広く、50代で上位のクリエイターもいます。これも正確な人数比を集計した数字ではなく、OnLiveの講習会で共有されている傾向としての説明です。特定の層だけを意識しすぎず、全視聴者が少額のギフト(バラなど)を投げやすい空気を作ることを意識しましょう。

ステップ5:ゴールを設定し、収穫のタイミングを作る

配信ごとに小さなゴールを決め、達成したときにギフトを投げやすい雰囲気を作りましょう。バトル機能を活用して、勝敗が決まる瞬間にギフトが集まりやすい流れを作るのも一つの方法です。

ゲーム配信であれば、ボス戦の前後やランキング更新のタイミングなど、盛り上がりの節目とゴールを重ねると、視聴者が「今この瞬間を応援したい」と感じやすくなります。ゴールは毎回大きくする必要はなく、達成しやすい小さな区切りを積み重ねる形でも十分です。

ただし、過剰に高額なギフトを煽るような発言は、ガイドライン上問題視される可能性があるだけでなく、視聴者に押し売りのような印象を与えてしまいます。感謝の言葉とセットで、適切なタイミングに絞って行うことが大切です。

ギフトの心理を理解するための前提

配信の組み立てを考える前に、以下の前提も押さえておきましょう。

  • ギフトは自発的に生まれるものではなく誘導するもの:視聴者が自発的に投げてくれるものだけに頼る収益構造は不安定になりやすいため、配信者側が投げるタイミングをある程度コントロールする意識を持ちましょう
  • イベントが始まってから本気度をアピールしても遅い:日頃から目標や熱意を発信していない配信者が、イベント中だけ急にアピールしても、視聴者の応援にはつながりにくい傾向があります
  • 固定ファンの増加が活動の基盤になる:ギフトはTikTok配信者にとって収益の大きな軸ではありますが、地盤が固まる前にギフト収益ばかりを追い求めすぎないことが推奨されます
  • 収益の断定はできない:ここで紹介している考え方を実践しても、必ず一定の収益が得られると約束されるものではありません。あくまで傾向として捉えてください
  • 少額ギフトの積み重ねも大きな意味を持つ:高額なギフトだけを目指すのではなく、幅広い視聴者が少額のギフトを気軽に投げられる空気を作ることが、長期的には安定した土台になります

注意点

ギフトを増やす工夫をするうえで、以下の点にも注意しておきましょう。

過剰にギフトを催促しない

  • 高額ギフトを繰り返し煽るような発言は視聴者に不快感を与える
  • ガイドライン上、ギフトの過剰要求とみなされるおそれもある
  • 感謝の言葉とセットで、タイミングを絞って伝える

同時接続数を伸ばす段階でギフトを急ぎすぎない

  • 視聴者数を伸ばす活動とギフトを獲得する活動は両立させにくい
  • 同時接続数が少ない段階では、まず視聴者を増やすことに集中する
  • 一定数を超えてからギフト獲得の工夫に力を入れる

特定の視聴者層だけを意識しすぎない

  • 性別や年齢によってギフトの送りやすさを決めつけない
  • 実際には幅広い層からギフトが生まれている
  • 全視聴者が参加しやすい雰囲気作りを優先する

うまくいかない時の対処法

目標を伝えてもギフトにつながらない場合

  • 目標が抽象的すぎないか、具体的な小さな目標も併せて伝えられているか確認する
  • 目標達成のために視聴者の協力が必要だと明確に伝える
  • 視聴者との関係づくり全般は(→0012)でも解説

ギフトの話題を出すのが恥ずかしく感じる場合

  • いきなり高額なお願いをするのではなく、新しいギフトの紹介など軽い話題から始める
  • メンバーレベルの仕組みと絡めて自然に触れる
  • ギフトへのリアクションの工夫は(→0005)でも解説

同時接続数は増えたのにギフトが増えない場合

  • 視聴者数を伸ばす配信からギフト獲得を意識した配信へ切り替えるタイミングを見直す
  • 日頃から目標や熱意を伝えられているか振り返る
  • 収益全体の仕組みについては(→0019)でも解説

特定の視聴者に負担をかけすぎていないか不安な場合

  • 少数の視聴者に依存しすぎない配信作りを意識する
  • 全視聴者が参加しやすい少額ギフトの文化を育てる
  • 感謝は特定の相手だけでなく視聴者全体にも伝える

ギフト施策に悩んだら、配信事務所という選択肢も

視聴者の心理を踏まえた配信作りは、一人で試行錯誤しているとなかなか考えにくい部分です。配信事務所に所属していれば、こうした考え方について相談できます。

OnLive所属クリエイターの一人は、配信歴およそ1年、それまでイベント参加の経験がない状態から、初めて参加したギフトイベントで開始時点の11位から最終4位まで順位を上げました。イベント前には目標をリスナーに周知し、一体感を演出する準備を行い、期間中は手が届く価格帯のギフトにくじ引きと表彰を組み合わせた企画を用意する一方、高額なギフトは現在の規模感に見合わないと判断して積極的には訴求しない、という線引きを行っています。

こうした取り組みは、マインドセット(種まき)・配信内のコミュニケーション(育成)・ゴール設定(収穫)という3段階の考え方をもとに、担当マネージャーとの継続的なやり取りの中で形になったものです。実際のクリエイターの例から体系立てて学べる環境があることは、一人で手探りするより遠回りを減らす助けになります。

よくある質問

Q1. ギフトをお願いする発言はどれくらいの頻度が適切ですか?

毎回、強い口調でお願いすると押し売りに感じられてしまいます。感謝の言葉とセットで、ゴール達成のタイミングなど絞った場面で伝えることをおすすめします。

Q2. 同時接続数が少ないうちからギフトの話をしてはいけませんか?

完全に触れてはいけないわけではありませんが、まずは視聴者数を伸ばすことに力を入れたほうが、結果的に効率よくギフトにもつながりやすい傾向があります。

Q3. ゲーム配信でもギフトの心理は同じように働きますか?

基本的な心理の働き方は共通していますが、ゲーム配信では達成の瞬間(クリアやランクアップなど)がギフトを投げやすいタイミングになりやすいという特徴があります。

Q4. 目標を語ることが恥ずかしく感じてしまいます。

大きな夢をそのまま語るのが難しければ、「今月中に〇〇を達成する」のような小さな目標から伝えてみましょう。小さな目標のほうが視聴者にとっても応援しやすい場合があります。

Q5. ギフトを送ってくれた視聴者にはどう対応すればいいですか?

その場でしっかりとリアクションし、感謝を伝えることが大切です。具体的なリアクションの工夫は(→0005)で詳しく解説しています。

Q6. 同性の視聴者にはギフトの話をしないほうがいいですか?

そのようなことはありません。同性からのギフトも珍しくないため、性別で判断せず幅広い視聴者に向けて話題にするとよいでしょう。

Q7. スーパーファンのような月額課金機能とギフトは、どちらを優先すべきですか?

どちらか一方だけを優先する必要はありません。単発の応援であるギフトと、継続的な応援である月額課金機能は役割が異なるため、両方の仕組みを理解したうえで案内するとよいでしょう。

まとめ

視聴者がギフトを送る心理は、応援する理由(種まき)、配信者との距離の近さ(育成)、投げやすいタイミング(収穫)という3つの段階で育っていきます。

ギフトは自発的に生まれるのを待つものではなく、日頃の配信の中で応援したい気持ちを育て、投げるタイミングを配信者側から作っていくものだと捉えましょう。

過剰な催促は避けつつ、同時接続数を伸ばす段階とギフトを獲得する段階の順番を意識することが、投げ銭されやすい配信への近道になります。